仮想通貨はどうして価値があるの?その仕組みから価値の上昇を宣伝するのは詐欺の可能性大

仮想通貨に値段がつくのはなぜか?

ビットコインをはじめとする仮想通貨は,世界中で取引され日々値段が変動しています。

ビットコインの価格が上がった下がったということが,日々ニュースになっています。

ところで,このビットコインの価格はどうやって決まるのでしょうか?

そもそも,どうしてコンピューター上の取引データが通貨などとして流通し値段がつくのでしょう。この価値はどこからやってくるのでしょうか?

結論から言えば,仮想通貨の価値は「皆が価値があると思うから価値がある」というだけであって,皆の思いを離れた価値というものはありません。

こう言ってしまうとあまりにみも蓋もないのですが,これ以外に仮想通貨の値段を説明することはできません。

皆が「ビットコインは高いもの」と考えるから値段が高いのであって,ビットコインの仕組みからその値段の理由を説明することはできないのです。

とはいえ,これは「お金」というものの性質でもあります。

お金には価値がありますが,どうして価値があるかと言えば「皆が価値があると思っているから」というだけです。

たとえば,1万円に1万円の価値があるのは,皆が「これは1万円として使える」と信じているからです。

以上をまとめると,「ビットコインの価値はもっと上がる!なぜならば…」「だから乗り遅れないようにビットコインに投資しましょう!」などという説明をする人がいたら,その人は要注意であるということです。

確かに,ビットコインには複雑な仕組みが用いられており,そこに用いられる技術であるブロックチェーンについては「インターネットの発明にも匹敵する大発明」などと評する人もいます。

しかし,そのような素晴らしい発明だから「今後ビットコインの価格がグングン上昇する」といった結論は導けないのです。

そこで,詐欺を回避するためにまず気をつける必要があるのは「仮想通貨は未来の技術だから,今のうちに買っておかないと損!」といったセールストークであるといえます。

値段の上下はどうして起こる?

ビットコイン等の仮想通貨は,基本的に取引所を通じてお金(たとえば日本円)で買います。

しかし,仮想通貨は日本円で固定された価格を持つものではなく,交換レートが変化し値動きがあります。

この点は,円とドル・ユーロ等の為替レートが変動するのと同じですが,仮想通貨の交換レートはまったく安定しておらず,当初(ビットコインがこの世に現れた当時)は無価値であったものが,1ビットコインあたり数百万円になっています。

こうした値段の上下は,市場原理で決まります。

すなわち,供給に対して買いたい人が多いと値段があがりますし,需要に対して売りたい人が多いと,値段が下がることになります。

値段の上昇要因

テレビやマスコミなどの報道で話題になり仮想通貨に注目が集まると,興味をもって買いたいと思う人が増えます。

買いたい人が増えればその分値段があがります。

また,ビットコインの場合には新たなビットコインの供給量は次第に少なくなるように工夫されていますので,今後も需要に変化がないか,あるいは大きくなるのであれば値段が上がることになります。

とはいえ究極的には「ビットコインの値段があがる」と多くの人が考えれば値段が上がるというだけで,ビットコイン自体の価値は変動の要素とはなっていません。

これが同じ値動きでも株や外貨と違うところです。

株の場合には,株式の発行企業の業績や市場の動向が価格変動の重要な要素となりますし,外貨の場合には,その国(通貨の発行国)の経済状態が重要な要素となります。

値段の下落要因

下落要因についても上昇要因とまったく同様で,仮想通貨の場合には「その仮想通貨の価格が下洛する」と考える人が増えると価格が下洛します。

たとえば,今後その仮想通貨が将来的にシステムとして信用を失うと考える人が増えれば,「この仮想通貨を見限る人が増えるだろう」との予測の下,価格が下洛することになります。

システムとして信用を失う場合とは,例えば,政府の信認を受けられず規制を受けることが想定されたり,ソフトウエアにバグが見つかったり,サイバー攻撃を受けたりした場合等が考えられます。

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