peer-to-peer(ピア・トゥー・ピア)

peer-to-peer型ネットワーク

従来の中央集権型システムの場合,すべての取引を1台または数台の中央サーバーで処理するので,多量の取引を安定して扱えるようにするには多額のコストがかかりました。

さらに,ハッキングのおそれもあるため,強固なセキュリティ対策もかかせません。

一方,ビットコインではpeer-to-peer(ピア・トゥー・ピア)システムが使われ,複数台のコンピュータ(ノード)が同じ取引を処理します。

中央集権型の場合,サーバー(バックアップ用の予備サーバーも含む)がダウンするとサービス運用に致命的なダメージを与えることがありますが,peer-to-peerシステムでは一部のコンピュータがダウンしてもシステムに影響はありません。

参加している多数のコンピュータすべて同時にダウンしない限り,ネットワークシステムが止ることがないからです(実質ゼロ・ダウンタイム)。

ビットコインのブロックチェーンはどのノードも同じ仕事を行い,データは全コンピュータで共有されます。

すべての仕事は複数のコンピュータでおこなうため,中央集権型と比較すると構築と運用にかかるコストを低コストにすることが可能との意見もあります。

また,ほかのコンピュータにも同じデータが保存されているためバックアップも不要です。

中央集権型システムでは中央サーバーが全取引を処理しているため,信用のもとはそのサーバー(または運営会社)でした。

一方,peer-to-peerシステムでは,複数のコンピュータによってシステムが維持されており,各コンピュータは分散かつ匿名化されているため,特定のコンピュータ(またはユーザー)を信頼する必要がありません。

peer-to-peer型ネットワークには管理者がいない

peer-to-peer型ネットワークには管理者がいません。

つまり,全体を管理する人も中央に決まったサーバーもなくネットワークシステムが稼働し続けているということです。

これは,従来の多くのシステムと異なります。

ブロックチェーンの仕組みをつくったとされるサトシ・ナカモトは「管理者」が存在する従来の通貨システムに懐疑的でした。

「中央銀行は通貨の価値を毀損しないと思われているが,通貨の歴史とはその信頼への度重なる違反の事実である」と述べています。

これを受け,ブロックチェーンを採用しているビットコインでは,通貨の供給量の上限があらかじめ決められており,中央銀行(管理者)による政策にその価値を左右されないしくみ作りがされています。

peer-to-peer型ネットワークとブロックチェーンを採用しているビットコインの中心にあるのは,人ではなく一連のルール(プログラム,プロトコル)です。

このルールに従って淡々とブロックチェーンは動き続けています。

そして,その一連のルールには,送金の方法,マイナー(採掘者)がどのように報酬を与えられるかのルール,取引が枝分かれした場合の手順,ビットコインの上限の量などがあります。

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