仮想通貨の種類1 仮想通貨の代表格ビットコイン

ビットコインとは

仮想通貨の代表格といえばビットコインです。このビットコインは,インターネット上で使える新しい形のお金であるといえます。

もっとも,これまでずっと「仮想通貨」と呼ばれておりましたが,現在法的には「暗号資産」と呼ぶのが正確です。

以前の「仮想通貨」の名称が,2019年の改正資金決済法によって「暗号資産」と改称されたのです。

改称の理由ですが,以前の「通貨」との呼称が実態と合致していない(国が価値を保証しておらず,流通体制や管理体制が脆弱である)ことから,通貨と明確に区別するためと言われています。

とはいえ,実際には「暗号資産」より「仮想通貨」のほうが意味が通じやすい実態はありますし,ビットコインを取り扱う事業者も「暗号資産」ではなく「仮想通貨」の名称を使用しているところが多い状態です。

このサイトにおきましても,「仮想通貨」という言葉を「暗号資産」と区別なく使いますので,両者はほぼ同じ意味であるとご理解ください。

ビットコイン誕生の概略

ビットコインの歴史は浅く,2009年に運用を開始しました。

ビットコインは,インターネットに続いて世の中を変えるしくみを生み出した「革命」だと言われています。

その理由は,インターネットのユーザーが,管理者不在でデジタル財産をほかの人に安全に移転することを可能にした点にあります。

それを実現するのが「ブロックチェーン」と呼ばれる技術です。

現在,この技術に着目して,官民がさまざな分野に応用するための研究開発が進められています。

ビットコインの登場以降,このブロックチェーンの技術を用いたさまざまな仮想通貨も誕生しています。

ビットコイン最大の特徴は,管理者が存在しないことです。

どの国の政府や中央銀行,そして金融機関も関与していません。

サトシ・ナカモトと名乗る人物(もしくは集団)による論文が起源となっていますが,ビットコインは誰かが管理しているわけではなく「あらかじめ決められたシステム」に従って動き続けているだけです。

管理者が存在しない,特定のサーバーも必要としないことが,逆に強固なネットワークを構築することを可能にし,かつデータの書換えなども極めて困難にしています。

また,ブロックチェーンによって管理者不在であっても,一時的にコミュニティによるオペレーションを要した事態は経験したものの,運用開始から今まで一度も停止状態になったことはありません。

なぜビットコインは広まったのか

もともと信用も裏付けもないビットコインに価値はありませんでした。

2009年1月にビットコインのネットワークが稼働すると,一部の人達の間で広まっていき,ピザや車の代金の支払に使われ,その後マイクソフトやデル,エクスペディアなどさまざな企業がビットコイン払いを導入し,次第にその信用度を高めていきました。

途中,中国やアメリカによるビットコイン規制の動きによる暴落を経験したものの,ビットコインの規模は,現在時価総額で170億ドル(日本円で1兆9000億円)にまで拡大しています。

ここまでビットコインの価値が上がり,支持を得た理由として中国の存在があげられます。

実は,中国国内では,ビットコインの売買がかなり盛んに行われています。

富裕層を中心に中国国民がビットコインを大量に購入しているのです。

彼らの目的は「資本流出」です。

もともと,国家為替管理局の規定により,中国国民の外貨買いは年5万ドルまで(すべての通貨に対応,日本円の場合,5万ドルに相当する部分)という限度額が設けられていました。

そこで通貨安が進む中国元での資産保有に不安を覚える中国富裕層の資産の逃避先として,ビットコインに注目が集まったのです。

ただ,この流れも変わりつつあります。
中国のビットコイン取引所が世界のビットコイン取引高のほとんどのシェアを誇っていましたが,2017年2月にこの資本流出の状況を憂いた中国当局が大手ビットコイン取引所への監視を強化したことで,一気に取引高は激減しました。

現在,中国国内のブームは沈静化しつつあります。

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