詐欺に遭わないための仮想通貨(暗号資産)とビットコインの知識

近時,仮想通貨投資の名を借りた詐欺がしばしば見られます。

仮想通貨においては難解な専門用語が頻出するため,悪質業者は専門用語を並べて「すごい技術で儲かりそうな雰囲気」を作出するのです。

さらにそこに,「有名企業OB」「元高級公務員」といった肩書きや芸能人・有名スポーツ選手の推薦などの広告材料を加えて,投資家を騙そうとします。

これを社会心理学用語で「ハロー効果」というのですが,冷静に考えれば,その芸能人やスポーツ選手は仮想通貨や投資の専門家でもなんでもなく,そんな人達の太鼓判など「だからどうしたの?」といったレベルの話のはずです。

しかし,専門用語や仮想通貨の仕組みを理解できない投資家は,「理屈はよくわからないけど,あの有名な人がそう言うんだから」という感覚で信用してしまうのです。

実際には詐欺業者も仮想通貨の仕組みをきちんと理解しているわけではなく,そこに出てくる専門用語や何回なシステムの理論は,投資家を騙すためにただ並べられているに過ぎません。

また,仮想通貨や仮想通貨を支える技術であるブロックチェーン技術を未来の技術であり投資する価値が非常に大きいように過剰に宣伝する場合も見受けられます。

テレビやネットでは「ブロックチェーンの技術を利用してこのようなビジネスが可能」とか「有名企業の○○○も仮想通貨の技術に取り組み始めた」といったニュースが流れます。

確かに仮想通貨の基幹技術であるブロックチェーン技術には,中心を持たないpeer to peerネットワークにおいて正確かつ効率的にデータをやりとりできるという性質を持っています。

この性質を活かすことによって,あらゆる産業への応用が可能になると期待されています。

しかし現実としては,ブロックチェーン技術を利用したビジネスはまだまだ成り立っていないのが現状です。

また,法制度としてもブロックチェーンを利用して何かを行うような整備はなされていません。あくまで「このような制度には,将来的にブロックチェーンが有効ではないか」という検討がされているというだけです。

特にニュースでは華々しく報道されるものも,やっているのは「実証実験」だけで本格的な導入に結びついたものがほとんどありません。

未来の話として「技術的にこんなこも可能になる!」というのは夢があってよいのですが,それが実際に現実の話として実現するのかというと大きな疑問が残ります。

騙されないようにするためには,基礎的な知識をきちんと理解することが重要です。

このページは,業者にうまい話を勧められても「それはおかしいよ!」と反論できる程度の知識を身につけていただけるよう弁護士が執筆いたしました。

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